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石持浅海「君が望む死に方」読了。

今年の初め頃「よーしパパ広島と岐阜は行っちゃうぞー」とか思ってたのですが、今年の広島アウェイは今週末の1度きりなのね。くっ、日曜は広島どころかスタカフェにすら行けねぇ・・・せめて土曜なら行けたのに・・・。
#現在、ヤケ込みで土曜の日帰り旅行を検討中。




それはさておき、当ブログのお客様を思いっきり置いてきぼりにしまくりの「読んだ本レビュー」w
これは「扉は閉ざされたまま」の続編・・・という扱いでいいのか?一応、前作から優佳と章吾が引き続き登場してはいますが、前作を読んでないとわからないような内容ではないですね。

前作と同様、いわゆる「倒叙モノ」というジャンルではあるのですが、前作が正統派の「倒叙モノ」であるのに対し、今回はこれから事件を起こそうとする人物による倒叙、しかも「殺そうとする者」と「殺されようとする者」による倒叙の二段構えという、かなり凝った構成。
どうやら3部作らしい、という噂を聞いているので、次はどんな倒叙になるのか、ある意味wktk。

読後の感想を一言で言うと

ええっ、そこで終わり!?

っていうw なるほど、出だし数行のアレはここにつながるのか、と、終章を読んでようやく理解。

以下、例によってネタバレ込みなので折り曲げ。




まずは、前作に続いて(というかこの作家にはよくあるんだけど)わけのわからん動機だなぁと。
「殺されたい者」の「殺されたい動機」これは理解できる。しかし、「殺したい者」の「殺したい動機」これはどうなんだろうね。死期を前にした母親の告白とはいえ、一人前になるまで長いこと援助してもらい、入社後も尊敬していた社長に対して、「(生まれる前に死んだ)父を殺した」という理由だけであっさり殺意を抱くほどの憎しみが生まれるものだろうか。
その意味では、前作と違って「優佳が動機までは推理しなかった」という点はまぁ許容できる。

許容できないのは、相変わらずの優佳の気持ち悪さだw なんだこの探偵ww
作者的には「物静かで控えめでしかも極めて論理的な美人探偵」を目指したのだろうけど、どうにも気持ち悪さの方が勝る。どうにも魅力を感じない。
優佳には恋人がいるのだが(そしてその恋人は前作にも登場しているのだが)どう考えてもその恋人は幸せにはなれないだろうな。恋人になった理由が理由なだけに。

気持ち悪いといえば、これまた前作からずっとそうなんだけど、この作者の書く「優秀」ってのがどうにも薄っぺらいよね。例えば園田。こういう風に同僚を「ハメる」人を「優秀」とは言わんだろう、常考。少なくとも、現代の会社員であればシステム関係の職務ではなくても「サーバにアクセスしたらログが残る」ぐらいのことは知ってて当然でしょうに、それこそ「優秀」な人間なら。
そもそも優佳の「優秀」さも薄っぺらい。なんかこの人「理系」ってものに対して過剰な自意識もしくはコンプレックスを抱いてないか?私の知る限り、理系だろうが文系だろうが論理的な思考のできるヤツはできるし、できないヤツはとことんできないぞ。逆に、論理的ではないからこそ、直感的にすごいことができたり発見したりする人もいたりするし。

あと、推理とか仕込みにも色々アラはあるよね。
例えば椅子。確かに位置が移動してたら不自然には思うだろうけど、逆に掛け時計の下にあったのなら「何かの拍子で時計が傾いたから椅子に昇って直した」と見ることも可能だし、アイスピックだって秘書氏がとりあえずいつもの癖で置いといた(自宅ではいつも大きい氷を使っているから)とか、なんとでも解釈のしようはある。まぁ、その辺の「蓋然性」に頼った推理では決定打に欠けるから、「花瓶の花」という要素を用意したんだろうけど・・・もしその花に言及されてしまってたらどうするつもりだったんだろう、優佳は。

それと、談話室の窓の件。これ、わかるといえばわかるけど、おかしいといえばおかしい。
もし「殺人者」が外部からの侵入者である場合、どういう形であれ外から侵入して、社長を殺して、逃げる、と。その場合、普通に考えたら社長の部屋から逃げるよね。わざわざ談話室まで戻って窓から逃げたりしないよね。となると、談話室の窓は開いていてもいなくてもどちらでもいいと思うんだ。まぁ侵入者が侵入直後にわざわざ鍵を閉めないだろうとは思うが、だったらクレセント錠(この言葉がすんなり出てくるのってミステリファンだけだよね、多分w)自体を「開」の位置にしておけばいいわけで、わざわざ窓が閉まりきってない状態で「閉」の位置にすることで窓が閉まりきってない状態、をつくる必然性は無い。
肝心なのはむしろ、社長室の窓の鍵を開けておくこと、こっちでしょうに。


で、また優佳の気持ち悪さに話が戻るんだけどw
今回の何が一番気持ち悪いって

「あんなことは、もうたくさんです。人が死ぬなんて。日向さん、あなたが死ぬのは勝手です。自殺しようと、梶間さんに殺されようと、好きにすればいい。でもそれは、わたしのいないところでやってください!」

というこの一言と、それとはまるっきり矛盾する去り際の行動。
彼女が「もうたくさん」と言っているのは、何のことなんだ?人が死ぬこと自体、ではないんだよね?同じ屋根の下で変死体が発見されることで、警察からあれこれ聞かれるのが嫌ってこと?でもその割には、最後に反撃用の道具を残してるんだよね。本当に、声を震わせるほど嫌なのであれば、どんな手段を使ってでも保養所内での殺人は止めるべきじゃないのかい?

というかね、結局この人って何で「推理」してるのかなぁと。前回も推理するだけして殺人者を追い詰めた割には結局罪を告発したわけでもないし(それどころか・・・)、今回も殺人を止めたいがために日向に向かって推理を披露したというわけでもない。

ミステリそのものは面白いだけに、読んでいるときは楽しい。しかし、読んだ後は探偵の気持ち悪さが強烈に印象に残る。なんとも困ったシリーズだw
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by exbaum | 2008-04-11 02:26 |